ザ・プレイス 運命の交差点の作品情報・感想・評価 - 3ページ目

上映館(1館)

「ザ・プレイス 運命の交差点」に投稿された感想・評価

KZ

KZの感想・評価

4.4
凄いなコレ。自らの幸福には他人の不幸が伴う。人生の皮肉をザ・プレイスというカフェのワンテーブルのみで表現。評価イマイチだけどこれはめちゃくちゃ面白い!「おとなの事情」に続きめっちゃ好きだ!
とにかく作品の舞台は、「ザ・プレイス」というカフェから1歩も動かない。その店の奥の席に陣取る1人男。そこで食事も摂り、店がクローズするまで、その席に座り続ける。その間、彼のもとへ、何人もの人間が相談に訪れる。いずれの人間も何らかの願望を持っており、それを達成するためには、どんな行動をとったらよいのか、男に指南を仰ぐ。しかし、そこで男が傍の分厚いノートを調べながら発するのは、いずれも犯罪にもなりかねない「悪」を伴う行為だ。自らの運命を変えるには、他人のそれも変えなければいけない。プラスを得るには、どこかでマイナスを生まなければいけない。男が繰り出す無理難題は、そう言っているようにも聞こえる。

「おとなの事情」で、携帯電話を巧みに使い、男女7人のブラックなコメディをつくり出したパオロ・ジェノベーゼ監督が、またもや絶妙のワンシチュエーションドラマを見せてくれる。元になったのは、アメリカの大ヒットドラマ「The Booth 欲望を喰う男」という作品らしいが、このある意味で異色の群像劇を見事にまとめあげている。男を「神」に置き換える見方もできるが、相談内容はいかにも人間臭く、それに対応する願望実現のためのミッションも一体どのように実現するのだろうという興味も誘う。カメラはカフェから出ることはないのに、これほどまでに濃厚な人々の人生を見せてくれるとは、とにかく驚きのドラマだ。パオロ・ジェノベーゼ監督が、次にどんな作品を見せてくれるのか、興味は尽きない。
超人類

超人類の感想・評価

3.6
セリフだけで想像を膨らませていくっていう映画大好き。けど割とこじつけ感あった。あの男は一体何者なのか運命を調節している神なのか
完全にワンシチュエーション“カフェの一角の席”で繰り広げられる会話劇なので乗れないと退屈だろう。

セリフのキレがあったのでそこまで退屈はしなかったし、どうなんの?と話を追うように最後まで見たけど。

結局男が何者なのか明かされない。
ここからはわたしの考察でしかないけど、あの男は神みたいなもので、普通に生きてるわたしたちも自分の欲望によって誰かを殺してるかもしれないし、“神のゆらぎ”で命を救われてるかもしれない、とかそういうことなのかなーと思ったり。
予告編を観た時から惹かれていたイタリア映画。
「おとなの事情」のパオロ・ジェノベーゼ監督。
いや名前!!
パスタやん!!
美味しそうやん!!
日本人だと、明太子アキラみたいな感じ?

「おとなの事情」で大いに惹き付けてくれたワンシチュエーション会話劇はここでも健在。

男はカフェ「ザ・プレイス」で1日座っている。
彼の元には人生に迷った者達が訪れ、それぞれの願いや欲望を打ち明ける。それを叶える為には、男が告げる行動を完遂する事。
自らの願望を叶える為の代償は他人の運命。
果たして9人の相談者の運命は——

いやもう、設定からして面白い!


放蕩息子を立ち直らせたい刑事。
→ある女性の被害届を揉み消せ。

夫のアルツハイマーを治したい老女。
→人が集まる所に爆弾を仕掛けろ。

夫の関心を引きたい妻。
→別のカップルを破局させろ。

モデルの女性と関係を持ちたい男。
→見知らぬ少女を守れ。

神の存在を感じたい修道女。
→妊娠しろ。

幼い息子を癌から救いたい父。
→幼い少女を殺せ。

美人になりたい女。
→強盗しろ。

視力を取り戻したい盲人。
→女を犯せ。

父親の干渉から自由になりたい男。
→恋人の強盗を手伝え。


無理難題も御構いなし。
それを遂行せよ。
さすれば汝の願いは叶えられん。

好みの群像劇。
9人の物語は、ジェノベーゼの如く絡み合う。

男は神か悪魔か。

男が日がな一日何かを書き留める手帳。その手帳を紐解きながら下される指令。この謎の手帳にも惹かれる!

人は何処までその欲に突き動かされるのだろう。

で、この男は何者?
カフェに寝泊まりしてんの?

はっきりしない事もあるけれど、鑑賞後に爽やかな風を感じるラストも好み。

あなたなら何を望みますか?
そして、その為なら何処まで他人の運命を狂わせますか?

「世にも奇妙な物語」のタモさんが頭の中でコンニチワ。

*エンドロールで流れる曲が素敵だったので、Apple Musicで即DL。
YUKi

YUKiの感想・評価

3.7
ワンシチュエーションの会話劇であり
目には見えない群像劇。
the placeというカフェに1日中居座り、
目の前に現れる“相談者”の話を聞き
アドバイスし続ける。というお話。

あるカフェを舞台にした平和な日常、
などではなく、切羽詰まった相談者に
かなりピンポイントで過激な助言を続けるものだから
この作品、どう展開するのか‥。
とじわじわ迫る危機を予測しながら
見守るような感じ。

次第に“アドバイザー”のクライアント同士が
人間関係を交差させる仕掛けになっているので
彼の身も安全とは言い切れないのに、
「昨日は一睡も眠れなかった」以外の
危機感はあまり見せない。

作中でも幾度となく出てくる“神”という
言葉のように、彼は神であるかのようなポジション。

そう、占い師や人生アドバイザーなんかには
話せないようなことも話せてしまう。
それは彼が神だからじゃないのかと。

自らの心の神にだから託せる願いを
具現化してくれるアイコンが彼なのかと。
それを思うと彼は実在した人物なのかどうかも
わからなくなってしまいますが、
心の闇から引き出した葛藤や悩みを
聞いてくれる人がいるなら
架空かのような存在であってほしい。

なんの躊躇もなくためらいもなく
全てを吐き出してしまいたい、
そんな人が集まってくる理由が
何となくわかった気がした。

実際、自分ならもちろんあれを相談する
とか頭に描きつつ観ていたし、
対しての返答が犯罪であれば
どう受け止めるのか‥まで考えていました。

かなりお疲れのようだった神の
ノートの最後に書かれた願望は
(たぶん)ただただセクシーなもので
やっとクライアントによって与えられ
満たされた瞬間‥
であれば良い。と思える着地点も好い。
tanzi

tanziの感想・評価

3.2
まるで舞台劇のようなワンシチュエーションドラマのイタリア映画でした。いわゆるファンタジー映画のカテゴリーですね。

舞台はザ・プレイスという名のカフェ。その隅のテーブル。そこに日がな一日座ってる男が自分の願いを叶えたい依頼人にミッションを出す。次々とやってくる依頼人はその経過や過酷なミッションへの文句を言いにその席の向かいに座る。

宗教的な示唆と皮肉に富み、説明くさくならずに、いかに会話だけで人物の背景や感情の変化を表すかという、お手本のような脚本。

依頼人の好みが微妙に分かれたこともあり、なんとなく自分の気持ちにも温度差が出たような気もしました。
大きな柱としては、アルツハイマーの夫の認知機能が戻ることを願う妻の台詞が一番面白かった。彼女の言葉にすべて集約されすぎていたぐらい。

これ、どう決着をつけるのかと思ってたら、そっちへ振りましたか。私自身は無理やりハッキリ形にしなくてこれで良かったと思います。
まめ

まめの感想・評価

4.0
この監督の『おとなの事情』のように、複数の物事が交差していき、ひとつにつながっていくストーリー好き!
このおじさんは何者?神?
ピピン

ピピンの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

傑作だと思う!
今のところ今年のベスト!

自分の願いの為に「無理難題」を提示され、各々が翻弄しながら交差して行く展開が面白い!
そして段々と見えてくる各々の人間性が本当に興味深い!

しかし、ストーリーを直接的に観ても謎が残りスッキリしない。

この話は宗教、もしくは宗教的な構造体のものに対するアンチテーゼなのだろう。

カフェにいる謎の男は、「契約」と言いノートに記述された言葉を読み上げる。
これは神との契約を意味するもので、この男は預言者、ノートは聖書の様なものだろう。
預言者とは神の言葉を伝える存在で、キリストもその一人だ!

登場人物達は自分の願いを叶える為に契約し、預言者の言葉を聞こうとする。

願いは深刻なものから欲望的なものまで様々だ!

本来なら、人生はどんなに辛い事実を突き付けられても向き合って対峙しなければならない!
しかしこの登場人物達は「神頼み」というドーピングで解決しようとしているのだ。

男は「無理難題」を押し付け「強制はしない」と言う。
それでも登場人物達は何とかして実行しようともがくのだ!
例え望みを叶えても元の自分には戻れ無いのに…

「怪物に餌をやる」
怪物とは人間の心の弱さだ!

結局これは宗教では何も解決出来ない事を意味している。

男の言う「無理難題」は事実を受け入れろと言う事の裏返しだったのだ。
しかし結果は怪物を育ててしまっただけ!

痴呆の夫を救いたい老婆は
「夫が元に戻っても、私は元の私では無い」
と言い、カフェを爆破場所に変更する!

この「プレイス」というカフェは一体何なのだろうか⁈
ある種の世界の縮図とも取れるし、そもそも存在しない場所で概念の世界なのかもしれない。

もしこの老婆が真相に辿り着いたのなら、この宗教という概念の世界を爆破する事で願いが叶うのだろう!

しかしそうで無いなら、欲望という怪物によって世界は破滅に導かれる事を警告している様な気がするのだが…

男は憔悴しカフェの店員に
「預言者を辞めたい」
と言う。
店員はエンジェルだったのだ!
slv

slvの感想・評価

3.9
いくつかの運命が交錯していく群像劇かと思っていたらちょっと違った。

これ、ワンシチュエーションのものだったのか。。
でも脚本はかなり練られているようで、会話劇になかなかキレがあり、面白かった。

頻発して出てくる「神」という言葉がキーワードになっているような気がしたので、もしかしてこの疲れた風貌の謎のおっさんは神なのか…?なるほど、万人の願いごとを叶えたり、運命を神が動かしているとしたら、確かに疲れてこんな風貌になってしまうというのも説得力があるよなぁ…などと考えながら鑑賞していたのだけど。

ここに登場する9人の依頼者の願いはそれぞれ。
本当に深刻なものから、そうでもないものまで、様々だけれど、もちろん当人たちにとっては切実だ。

しかし、その願いを叶えるには大きな代償が伴う。
そしてその多くが重大な犯罪じゃんって感じの無理難題を指示される。

自分の願いと、他人の犠牲を秤にかけて、彼らはどう選択するのか…?

それぞれが葛藤し、究極の選択を迫られ、指示を実行したり、しなかったり、願いが叶って幸せになったり、諦めたり、予想外の出来事に運命が狂ったり…。

その様を見ていると、まさに人生哲学的な深いテーマが浮かびあがってくるよう。

ただし、この設定やストーリーには謎も多いし、さらにツッコミどころが満載過ぎる!

なので、私は途中から「ああ、これはツッコミどころはすべて黙殺していかないとついていけないな」と早々に悟ったため、わりと引き込まれて鑑賞出来たけど、細かいところが気になる人にはいろいろムリだと思う(笑)。

好みが別れているのも、その当たりが理由だと思うけど、個人的にはネタばれなしで鑑賞出来たため、ラストの展開に「え!?そうきたか~!」と意外さを感じられて凄く良かった!

おっさんだけじゃなくて謎の存在だったもう一人についても、なるほどな~と。

とは言え、私的には「スカッと」とまではいかなくて、若干の「モヤッと」感が残ったけれど、これは人それぞれに多様な解釈の出来る余地がある作品なので、色んな方のレビューを読むのも面白いです。

見逃したままになっていた、この監督の前作「おとなの事情」もやはり観なくては!