大杉漣さんの遺作で、中身もヘビーな感じがして気になったので鑑賞。
かなりヘビーな作品だったけど、貴重な2時間だった。自分の人生や死を考えることはたまにあるとしても、死刑制度のことや、もし自分が死刑囚だったらなんて考えるこたは、普通の生活しててまずないこと。
劇中、大杉漣さん演じる佐伯と6人の死刑囚がひたすら面会するシーンが続いていく。死刑囚は髪型も自由で、週3回屋上の運動スペースに出られたりということで、なぜか死刑囚より観客側のほうが、狭い空間に閉じ込められているように感じてしまう作りになっていたのも、よりヘビーに感じさせる要因。
中盤までずっと教誨部屋シーンが続くので、自分まで死刑囚になった気持ちになってしまう。終盤のとある自分の「先生の前にいると自分まで死刑囚になった気持ちになる」というセリフには共感してしまった。
6人の死刑囚役のキャスト陣がやたらリアルで、彼等の演技によってこっちまで振り回されてしまった。
死刑囚側になったり、教誨師佐伯側になったり、感情移入を両サイドにもできてしまうのが不思議だった。エグゼクティブPの大杉漣さん率いる制作側が意図していたのかも。
大杉漣さんってよくとんねるずの食わず嫌いで、観てる側も対決する側も翻弄していて、いつも楽しませてくれてたけど、この教誨師という映画でも大杉漣さんらしさが出てたな。