Kogarath

教誨師のKogarathのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
4.6
大杉漣最後の主演作。
音楽は無く、ほぼ面会室で繰り広げられる会話劇のみ。
それでも全く退屈しないどころか、2時間があっという間に感じられた。
6人の死刑囚それぞれ強烈なので自然と漣さん演じる牧師・佐伯の目線で観ることになり、彼らの言葉が自分に向けて語られているような気分になってくる。そのため高宮の問いかけには佐伯と同様に焦りと恐怖を覚えた。演じた玉置玲央、全然知らなかったけど要チェックですな。というか、死刑囚6人が一人残らず凄い。まさに身を削るような演技。素晴らしかった。

各々がどんな罪を犯して死刑を宣告されたの少しずつ分かってくる展開も面白いけど、それはあくまで本筋じゃなく、罪を犯したその人間そのもの焦点をあてる見せ方が良かった。
宗教、死刑制度、償いとは何かを問う社会派ドラマでありながら、1対1で心と向き合うことの尊さに震える傑作。
漣さん、素晴らしい作品をありがとう。
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