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教誨師のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
4.7
受刑者に対して道徳心の育成、心の救済につとめ、彼らが改心できるよう導く教誨師。牧師の佐伯(大杉蓮)は、半年前に死刑囚専門の教誨師として着任した。彼は年齢、境遇、性格の異なる6人の死刑囚と面会する。
自己中心的な若者・高宮(玉置玲央)、おしゃべりな関西の中年女・野口(烏丸せつこ)、お人よしのホームレス・進藤(五頭岳夫)、家族思いで気の弱い父親・小川(小川登)、心を開かない無口な男・鈴木(古舘寛治)、気のいいヤクザの組長・吉田(光石研)。
独房で孤独な生活を送る彼らのなかには、よき理解者であり、格好の話し相手である教誨師に対し、真剣に思いを吐露する者もいれば、くだらない話に終始したり、罪を他人のせいにする者もいる。
一方、佐伯は彼らに寄り添いながらも、自分の言葉が本当に届いているのか、死刑囚たちが安らかに最期を迎えられるよう導くことが正しいのか苦悩する。
そして彼もまた、その葛藤を通して忘れたい過去と対峙し、自らの人生と向き合うことになる。
大杉漣が、初プロデュースした最後の主演作。
教誨師の佐伯が、生まれも育ちも犯行動機も違う死刑囚と面会し教誨する中で、頭から罪を悔い改めるように死刑囚を導くことが本当に正しいのか?自分の過去の罪と向き合い何のために教誨師をやっているのか?を葛藤する中で浮かび上がっていく、「罪とは?」「贖罪とは?」が、大杉漣と古舘寛治や光石研など芸達者な演技派俳優同士のアンサンブルで描かれるのが、キリスト教に馴染みがなくても心に沁みるヒューマンドラマ映画。
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