ちゃんご

教誨師のちゃんごのレビュー・感想・評価

教誨師(2018年製作の映画)
3.5
死刑囚の心理に興味があり、鑑賞。
死刑囚の心理にはあまり焦点は当てられていなかったと思うけど、様々な理由で死刑囚となった人間の様々な言動が見れておもしろかった。
演技派揃いで、主演の大杉漣は言うまでもなく、とある人の体を震わせる演技はとくにすごかった。

教誨師の言葉で(いろいろな方向に)変わっていく死刑囚達…
気さくな人、嘘をつく人、弱気な人、無口な人、年老いた人、高圧的な人が変わっていくさまは見ていて興味深かった。
いろんな性質を持った死刑囚がいたけど、教誨師に対する態度、話す内容、話すトーンだけでなく、「死」への考え方までみんなそれぞれ違うんだなぁと感じた。

死刑執行前に教誨師に◯◯して取り押さえられたシーンは泣いた。
頭に布を被せられ首にロープを括られる瞬間、死刑囚はどんなことを思うのだろう…最後に考えることは何だろう…それはわからないけど、教誨師の存在意義があることははっきりわかった。
死への恐怖を長期間感じながら生きている人々にとって、最後にすがりつけるのは教誨師だけなのだろう。
死刑囚はおそらく誰かの生命を身勝手に奪った人であり、その被害者は恐怖しながら殺されたのであって、死刑囚が死を恐れるのは本当に身勝手なんだけど、それでもすがりつこうとするシーンは泣いてしまった…。
あと、おじいちゃんが必死に◯◯◯◯をしているシーンも泣きそうになった。

とある死刑囚が教誨師に「死刑制度」について問いを投げかけた後、自身の意見を述べるシーンにはかなり反論したくなったし、途中まで本当に嫌いだったけど、その人を演じていた俳優さんはすごかった!
もっと映画に出てほしい!!

教誨師が死刑囚と対話していく中で、死刑囚のエピソードだけでなく、教誨師の過去まで明かされていく。
その教誨師の過去のシーンは衝撃的。

この映画のラストについては、私の理解が追いつかなかったため、ネタバレサイトか何かで考察を見てスッキリしたいなと思う。