深すぎて、作品のどこを切り取って語れば良いのか分かりません。
大杉漣さんの最期の主演作であることはまず述べなければなりません。
生きるとは何かという問いさえ、陳腐に響いてしまうので、それも違う気がします。
クリスマスの華やかな時期に執行される死刑。
どこか我々は知ることも論じることも意図的に遠ざけられてしまっているような感覚に陥る死刑制度について、死刑囚と教誨師の対話から考える作品なのでしょうか。
宗教の役割を死刑制度との関連から考える作品なのでしょうか。
この作品は何を伝えているのか?という問いの答えを鑑賞者の我々に容易には与えてくれません。
むしろ、「皆さん、それぞれ何を伝えているのか自分で仮説を立てて考えて下さい」とダイレクトに言われているような作品だと思います。