♪ 誰も考えつかない事をするのが大好き
メチャリロにたいしたもんだぜパタリロ!
これは劇薬ですね。
上品な喩えで言うならば「ケツの穴をグリグリと押し付けてドヤ顔しているドドメ色」。つまり上級者向け。原作者のご尊顔を知っているレベルの知識は必須なのです。
だから、原作読破は前提。
最低限でも「美少年殺し」「墓に咲くバラ」「時を駆けるパタリロ」「タマネギ!」は読んでおくべきです。単行本で言えば1巻と6巻と9巻だけなので楽勝ですよね。
なお、国際ダイヤモンド機構の設定はテレビ版準拠。いきなり“タランテラ”の名前が出てきますから、頭を柔軟に切り替える必要はあります。
また、制作者の開き直りも魔夜先生レベル。
確かに原作もシュールなギャグが生命線ですからね。「ネームを切らない」というアドリブ感が大切なのです。コント臭漂うチープ感も原作を踏襲した結果。低予算が原因ではありません。
まあ、そんなわけで。
好事家だけが楽しめる禁忌の逸品。
好奇心で手を伸ばす前に山田マリエさん(魔夜先生の御令嬢)のマンガを読み、ツイッターでフォローするくらいまでに愛を熟成した方が吉です。
ただ、ただ、ただ、それでも。
次の二点だけは物申したく。
1.パタリロはマゾではない
彼はどちらかと言えばサディズム体質。
部下…というか道具…というか使い捨てであるタマネギに鞭で叩かれて喜ぶなんて、太陽が西から登るくらいにあり得ない話。麻疹になれば別ですけどね。
2.ジュニアの役回りをマライヒに重ねないで
マンガと映画は別の媒体。原作を丁寧に準える必要はないのですが、重要な部分は別。特にマライヒの魅力は初期の“硬質さ”が大切だと思うのです。硬い表情が軟らかく変化した部分にバンコランの重要性が表れるわけで。ジュニアのように最初から柔軟なマライヒなんて「マントヒヒ」か「おでん屋」なのですよ。
以上。
え。まだ字数が余っている?
そしたら、原作(第101巻絶賛発売中)の魅力にも言及しましょう。まず1巻は背表紙の色が赤(以下略)