このレビューはネタバレを含みます
サイコパスSS3部作の最後は狡噛の物語。
タイトルから、「狡噛の物語」の終焉を予想していたがそうではなかった。
前回の劇場版でもそうだったように、東南アジアが舞台になる手前どうしても話が単調になってしまう。
今作ではハデなドンパチはおまけ程度であり、他者との交流によって起こる狡噛の心境の変化がメインである。どこに行っても闘いに明け暮れるばかりの東南アジアでの生活は「同じところをぐるぐる回っている」狡噛そのものであり、輪廻である。
抜け出すには自身が変わるしかない。
その媒介者となったのが今作の女性二人。
テンジンとのゆるやかな訓練生活は波紋として、外部であり故郷からやってきたフレデリカは起爆剤として狡噛を輪廻の外に導く。
フレデリカに安心してなつく犬は狡噛自身だ。
他にも3匹のハチ?や2羽のカラス?など、動物が記号的だなと目に留まる。
ストーリー自体はありきたりなので力点を置いていないのかな、などと思ったりした。すべて狡噛の変化のために構成されていると感じた。今後の展開はどうなるか読めそうで読めないので、バトンと受け取った。
(テンジンちゃんかわいい)