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マリー 暗闇からのささやきのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

1.2

このレビューはネタバレを含みます

ホテルのレストランで恋人と食事をしていたヒロインのもとに父の訃報がとどく。父の家を売り払おうと故郷に戻った彼女だが、地元の人々からかつてその屋敷でマリーという少女が失踪した事件のことを聞かされる。しかし、ヒロインは事件のことを覚えておらず、それだけでなく幼少期にその家で過ごした想い出自体が曖昧であった。ある日、ヒロインは屋敷の外で不思議な少女と出会う。彼女との交流をきっかけにヒロインの記憶が少しずつ蘇ってきて…という話。ノルウェー産のホラー。

とにかく展開が静かで地味。あと怖くないホラー。
何と言っても「エスターに続く衝撃作」というアオリ文句の胡散臭さに目が行くのだが、冬の時期の子どもが出てくる作品以外の共通点は皆無で、怪しげな屋敷でのラップ音などの心霊現象やうわさ話からヒロインが幼い頃に起きた事件の謎を思い出していく作りとなっている。
地味さに加え、どこかで見たような古めかしい設定や演出が使い回されている印象で、お話に抑揚もないので突き抜けた面白さもない。スプラッター描写も薄いので派手さにも欠ける。また、ヒロインが割と無表情で自分勝手なところが目立ち感情移入できないのも難点。恋人との間に子どもができて、そのことを恋人はとても喜んでいるのに、彼に内緒で堕ろそうと計画していたり共感できる要素が少ない。子どもは結局産むけど。
ラスト15分までは盛り上がりが全然ない上に観客が興味をひくような謎も見当たらないため退屈だった。終盤ようやく事件の真相とこの作品の構造が分かるわけだが、やっぱりねーとしか思えないオチ。そのオチを強化するていねいな振りかえり演出が親切でもあり滑稽でもあった。もう少しバカっぽい映画ならツッコミ入れつつ楽しめたのかもしれないのだが、変に真面目に作ってるので面白味がほぼゼロ。

ノルウェーの美しい景観以外に見どころのない作品だった。裏スコア5.0点
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