にゃんこむ

クレイジー・フォー・マウンテンのにゃんこむのレビュー・感想・評価

3.8
全編CGかと思うくらい、良い意味で現実味が無い映像の数々。

最初に出てくる、男性の映像は合成かと思うくらいでした。
素手で直角に近いくらいの山肌を登り、落ちたら確実に死ぬ高さまで登っているというのに、命綱も付けず、時たま足場が安定したところでは両手をぶらぶらとほぐして休憩。
足場が崩れたら、なんてことは考えないんでしょうか……信じられない胆力をしていますね。

このドキュメンタリーのナレーションが語るように、このような危険な山登りは万人に理解できるものではありません。
ではなぜ人々は山に挑戦するんでしょうか。
それは山に誘惑されているからです。

山を題材にしたドキュメンタリーは他に見たことがありますが、この作品は”人々をを魅了する魔力を秘めた山”という見せ方がとても上手い。
山にとり付かれるという表現があながち間違いではないというのを感じさせました。

この作品の見所は、なんと言っても山々の映像。
その圧倒的な高さを感じさせるカットがとても多く、綺麗な映像というより、恐ろしくなる映像ばかりです。
山々に囲まれた引きの映像から、どんどん近づいていくと、点だった人間が大きくなっていく。それと比例して、山の高さもぐんぐん大きくなり、人間がどれほどちっぽけな存在なのかわからせてくれます。
この見せ方がとても上手で、かなり多用しているのですが、どれも飽きません。
にゃんこむ

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