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ミク、僕だけの妹のshishiraizouのレビュー・感想・評価

ミク、僕だけの妹(2018年製作の映画)
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ペットボトルに牛乳が入ってることがSF的描写になっている、簡素な未来表現から、兄妹の関係性への観る側の違和感が解消されたとたん、どんどん物語の見える風景が変わる。暮らすとは、好きとは、愛着とは。同じような仕事場のシーン、海に自転車で向かうシーン等も、孕んでいるものが違って見えてくる。セカイ系に隣接したような物語世界だけど、性と寂しさに苦しむ、みっともない生の有り様を見過ごしていない。

『快楽交差点』(15)でも共感困難超絶なキモさを発揮していたジョージョー映画常連の麻木貴仁のサバオ(町山さんに似てる)、今回も救いがたいキモさ、滑稽さ。後半、フナコの和田光沙と合流し、序盤の兄妹イチャイチャを反復するのだが、アレな容姿が批評になっているのがなんとも意地悪。次なる進化の先鋒か、新たに兄妹となる二人が美男美女(というには、お兄ちゃんのルックスがショボくれてはいないだろうか)なことに気がイカず、その絡みも希望的というよりは妬ましい。

ジョージョー映画にしては画が強く、海辺の小屋では伊東ちなみの裸身に光が降り注ぎ美しく映える。丘の上を駆ける革命兄弟。空に走るミサイルの軌道。広い道の向こうに見えてくる海。


「お兄ちゃんのお○んぽ鉄なみに硬い~」とか「我々ははじめの一歩(明日のジョー、のもじり)である」などのギャグあり。ブティックの店員役でしじみさんがワンシーン出演しています
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