千年女優

今日も嫌がらせ弁当の千年女優のレビュー・感想・評価

今日も嫌がらせ弁当(2018年製作の映画)
3.5
八丈島に住む夫を事故で亡くしたシングルマザーで、長女の若葉が独り立ちし、次女の双葉と二人で暮らす持丸かおり。思春期による反抗期でまともに口をきかない双葉に業を煮やした彼女が、高校生になって「クールキャラ」でいきたい双葉へ希望に反して毎日作るお弁当を「キャラ弁」とすることで嫌がらせする様を描いた家族ドラマです。

月間350万アクセスを記録した『ttkkの嫌がらせのためだけのお弁当ブログ』を原案に、数々のTVドラマに関わった塚本連平監督が篠原涼子と芳根京子という揃って好感度の高いふたりをキャスティングして描いた作品で、予告で話の大筋が見えて予想外の展開は何一つ起こりませんが、キャストが功を奏して応援したくなるお話になっています。

東京の父子との関りやイージーなバラエティ演出、やや過剰に思える劇的展開ら蛇足に感じる点はありますが、「お弁当」という親子物語と相性の良い素材をよく活かしていて、近いが故に素直になれない親子のコミュニケーションのツールとして、そして毎日だからこそ積み重なる想いの象徴として、この母子の絆を象徴している一作です。
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