この映画はエッフェル塔がチラッと見えるところから始まる。
そこでフランス映画だと実感する。
物語に出てくる人たちはみんなが自分のことしか考えていない。
自己主張の塊で、人として欠点ばかり。
物語中盤まで全く話が噛み合ってない会話を見せられるので正直退屈した。
中だるみを感じるし、あくびも出そうになった。
「新郎と新婦はいつ出てくるんだろうか」
それくらい前置きというか披露宴の事前準備が長い。
そのくせ披露宴はぬるっと始まる。
しかし、式が始まると徐々にキャラクターの個性が光りだすのを感じた。
全員がまるで身内なんじゃないかと思えるくらいに愛おしくなってくる。
新郎も最初から最後までスベってるし、主人公のマックスもポンコツ。
終始いがみ合ってるふたりだが、
最後にこのふたりが言葉を交わすシーンは妙に心地よかった。
ヒトの魅力というものは段取りの良さとかリーダーシップがあるとかに目を向けられがちだけど
こういう言葉では言い表せづらいところにあるんじゃないかと思った。
そういった意味でこの映画の若干不器用なつくりにも愛着が湧いてきた。
大事にしたい作品。
#映画セラヴィ