Jun潤

九月の恋と出会うまでのJun潤のネタバレレビュー・内容・結末

九月の恋と出会うまで(2019年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

2019.12.9

高橋一生案件第2弾です。

川口春奈演じる、新しい部屋に越してきた女性・志織は、ある日1年後の未来から話しかけているという隣人・平野(シラノ)の声を聞く。
シラノは自分のことを尾行して欲しいという謎の頼みをし、志織は渋々その頼みを聞くが、ある日部屋に空き巣が入る。
その空き巣の犯人がただの泥棒ではなく、強盗殺人の犯人だった。
そのことから現代の平野は、1年後までにシラノと出会い、過去の志織に対して同じことをしてもらわないと志織の存在が消えてしまう可能性を示唆する。
シラノを見つけるべく行動を共にし、徐々に惹かれていく二人。
そしてシラノの正体はアメリカから帰国した志織の元恋人ではないかという結論に至る。
過去の自分を助ける条件が揃い、平野の前から去る志織。
声を聞いた1年後の志織の前に現れたのは、シラノの正体は自分だったと明かす平野だった。

タイトル的に普通の恋愛モノかと思いきや、SFの雰囲気を漂わせつつ、川口春奈と高橋一生の静かな雰囲気と、美しい風景やそれらにマッチした音楽が彩るとても綺麗な物語でした。
演技については高橋一生の、志織を助けるべく奮闘しているはずなのに、シラノは自分ではない、自分と結ばれてしまえば志織は助からない、という葛藤に悩む様を切なく、静かに、情熱的に演じていたと思います。

タイトルの「九月の恋に出会うまで」とは、志織と別れ、志織の元恋人がシラノではないことが判明し、志織の住んでいた部屋に自分が移り住むべく、オーナーの条件である「小説家の卵」から「本当の小説家」になるべく小説を書き続けた日々、そしてその夢を果たし、志織への想いに気付くことで過去への道を切り開いた平野自身のことではないかと思います。
Jun潤

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