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フェイ・グリムのとぽとぽのレビュー・感想・評価

フェイ・グリム(2006年製作の映画)
3.0
正直者は損をする、ヘンリーフールに振り回される人々がまるでトリュフォーが好きそうなそして作りそうな犯罪映画に。ハル・ハートリーらしい淡々とシュールなやり取りに、突然のスパイ風味、そしてぎこちなくも徹底された斜めのカメラワークに世界が歪んで見える。初めは受動的だつたのに次第にアグレッシブになる、とにかくやり手のフェイ・グリムの肝の座った決断と行動の数々に手に汗握る瞬間も。前作の田舎町を舞台に表現者の姿勢や葛藤を描いた作風は何処へやらな飛躍で国家を股にかける陰謀論に?表現の真髄とはいつの時代も反体制的なものであるだろうけど、それを文字通りの体制の転覆に繋がるストーリーに仕立てるとは。ヘンリー・フールってそんな過去持つキャラだったの!愛と革命分子・テロリスト、亡命者。つまり見る人を多少なりとも選ぶ作品であることに変わりはない。独特の世界観は癖になるものがあるけど、一見さんには敷居が高く寄り付きにくい気がする。緊迫感のある(筈の)規模の大きな話へ、尺も結構あるし予想外の超大作?つまりハル・ハートリー愛が試される?ハル・ハートリー好きだと思っていたボクだけどなかなか疲れたしなかなか内容が頭に入ってこなかった、けど2年前の糞デスノートの10年前にはNYインディーズ映画シーンの鬼才がノート争奪戦を作っていたとは。最後素敵。時が経ったらまた見直したい、その時はもっとちゃんと全神経を傾けて。

TOMATOMETER46 AUDIENCE57
Critic Consensus: Fay Grim is too concerned with its own farcical premise to present a coherent, involving story.
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