柏エシディシ

フェイ・グリムの柏エシディシのレビュー・感想・評価

フェイ・グリム(2006年製作の映画)
2.0
わぁ〜なんじゃこりゃーw
ヘンリー・フール・トリロジーの2作目にして、ハル・ハートリー屈指の怪作というか珍作。

小さな界隈の箱庭的なハートリー世界から少しばかり広がりを見せた前作から一気に飛躍して、世界を股にかけるスパイスリラーになっている。
しかし、コレがすこぶる変w
どこに転がっていくか判らないプロットや本心を汲み取りにくい登場人物たちのダイアローグが独特の味わいとスリルを醸し出すハル・ハートリー作品だけれど、本作に関してはここまで無茶苦茶だと、段々お話自体がどうでも良くなっていくのだよなぁーw
正直、まじめにやっているのか?冗談なのか?その意図が掴めない。
もしや、其れが狙いなのか?困ったもんです。
観た人誰も気になるであろう終始斜めの画面構図も、かえって素人臭い雰囲気を醸して出してて微妙…
長編デビューから20年弱、ある意味この「青さ」というか、未完成なのは、ハル・ハートリーという人らしいとも言えるのか。

麗しき「インディーズの女王」パーカー・ポージーや、お馴染みのハートリー組の出演陣、特に「ヘンリー・フール」で好きになったキャラ達の再登場はもちろん楽しい。(トイレでのフェイと初遭遇するエリナ・レーヴェンソンが電話の着信に驚くシーンは最高に可笑しいし、可愛い!)
その中ではゲスト的なジェフ・ゴールドブラムや、ヤスミン・タバイタバイ(この人の「バンディツ」は不当に過小評価されている大傑作だと思う)も楽しそうで良い。
だけども、やっぱり最期までお話についていくには忍耐が結構必要でしたw
ハートリー愛を試される一本ですな。
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