カルダモン

ピラニアのカルダモンのレビュー・感想・評価

ピラニア(1978年製作の映画)
3.0
山奥にある軍の研究施設に忍び込んだバカップルが全裸で施設内のプールで泳ぎまくる。当然ながら彼等は喰われる運命なのでアッサリと骨にされる。
行方不明になったバカップルを捜索するのは輪をかけてバカな女捜査員で、彼女の軽率な行動によってピラニアは研究施設から川に放流されてしまう。下流ではもちろんサマーキャンプで川遊びに興じる子供達の姿が。
何が酷いってこの女捜査員は最後までまったく反省の色がないことで、というより自分の仕出かしたことにピンときていないので呆れるしかない。

根強い人気を誇るパニックムービーのクラシックで、一時期はDVDソフトにプレミア価格が付いたほどカルト的な熱を生んでいる映画だが、中身は拍子抜けするほど浅く、93分とは思えないほど時間が長く感じる作品。

とにかくピラニアを映す水中ショットは、どのカットも使い回しかと思うほどに単調で、ひねりや工夫が一切なく退屈そのもの。襲われる側も浮き輪で浮かびながらバシャバシャと水しぶきをあげるのみで全く切迫感がない。

と、散々ディスっておいてなんだが、嫌いかというとそうではなく、どちらかというとこれぞピラニアだという堂々とした気持ち。人に勧めはしないが珍味のひとつとして記憶に保存しなければという気持ちが湧いてくる。

ところで序盤の研究所にいたモンスターは何かの布石かと思いきや、それっきり最後まで姿を見せずに終わった。あんな放置プレイされるモンスター初めて見た。