ひな菊

ホイットニー~オールウェイズ・ラヴ・ユー~のひな菊のレビュー・感想・評価

3.8
昔、出会った人との初デートで、映画を観ようと行ったのが『ボディーガード』だった。
「I will always love you 」もちろん歌は素晴らしく、ハラハラしつつもロマンティックなストーリーで、デートにはぴったりだったのだけど、まさかホイットニー・ヒューストンがこんな人生を送っていたとは思いもしなかった。

重くて、切なくて、苦しくて、嗚咽をこらえながら、涙が止まらなかった。

ホイットニーは、なぜここまでいろいろなものを背負わなくてはならなかったのか。
スーパースターを”演じ”ながら、人種差別、生まれ育った家族の問題、金に群がる親族、夫の嫉妬と結婚生活など、とても抱えきれないような問題を、ひとりで、笑顔で、その細い肩で背負っていた。

ホイットニーが幼少期に負っていた深い傷のことも初めて知った。

歴史は、証言者の語ることがメインになるので、きっとホイットニーが生きていたら反論したいこともあるかもしれない。スキャンダラスなことを公開されて嫌かもしれない。
でも、私はこの映画を観てよかった。
残された曲や映像から、等身大の人間である”ニッピー”を感じられる。
画面の中で歌う姿には、古い映像でもとても心揺さぶられた。表現力の凄まじさ。
歌のシーンは多くはないけど、南アフリカでのコンサートは特に胸に迫った。

帰り道、ホイットニーの曲をずっと聴いてた。ほんとに、なんて凄い歌手だったのだろう。
伝説になるにはあまりに早い。もっと幸せな人生を送って欲しかった。。
ひな菊

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