ワンダフルデイズモーニング

いつか輝いていた彼女はのワンダフルデイズモーニングのネタバレレビュー・内容・結末

いつか輝いていた彼女は(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

女のコ版の「青い春」じゃん!!!!!!!!!

僕は基本的に"女子高生"というか、女子の"学生時代"に本当にケッ、みたいな、未熟者めが、みたいな、知るかよ、みたいな態度を取ってしまうんだけど、それは、未熟なだけなのにカワイイとかエモいとか言う あばたもえくぼじゃんかみたいな信仰を感じるからで、まぁルサンチマンなんだろうけども。おれが悪いんだろうけども。
しかしながら、そういうキラメキ礼賛をするのではなく、カワイイとかエモいと受け取れる要素を切って切って、ただただ、当事者的な眼差しでカメラが教室に座っているようだった。あの放課後の教室に、もう1人いたね。
高校は刑期が三年の牢屋。
制服は囚人服だ。
「青い春」は牢屋から友達が死刑をくらって段々いなくなっていく作品だったけど(そして去ることへの双方の乾いたムードは男子校特有だなと思うけど)、「いつか輝いていた彼女は」は、女囚の話である。
誰もが刑期をやり過ごすためだけに友達と笑っている。そうしないと頭が狂ってしまうから。
その中で孤高な存在として無表情でいる茜は、まんま「青い春」の九條と重なるじゃん。でも九條と同じように、イライラはしている。茜もうまくいってない。

ムージックラボにおけるミュージシャンとの関わり方でいままで見たことないすごいアプローチだと思ったのは、コラボミュージシャン(のキャラクター)を作品内で礼賛やラブの態度ではなく、疎まれる存在として置いていた。
マホがどういうつもりでライブをしているのかは分からないけど、彼女が茜の曲で評価されることは、おれはかなりしたたかだと思ったし、冷徹なシーンだと思った。めちゃすごいと思った。

「いつか輝いていた彼女は」というタイトルの、"いつか"と"彼女"とは、いつの、誰のことなんだろうか。
順当に考えると過去の茜だけど、
未来の茜にとってのマホなのかもしれん。
茜がイヤホンを耳から引っこ抜くのは、そういうことだと思った。
でも茜はずっと孤高で、かっこいいね。