tetsu

いつか輝いていた彼女はのtetsuのレビュー・感想・評価

いつか輝いていた彼女は(2018年製作の映画)
3.5
ムーラボの審査で鑑賞!!

MINT mate boxのボーカル・mahocatoの回想形式で描かれる青春映画。
姿を消した"まほ"の存在から始まる女子高校生4人のほろ苦い日々...。

芸能科のある学校で繰り広げられる妙に生々しい女子たちの会話。
嫉妬から生まれる憶測や、自分を正当化したいがためにつく誰かへの悪評、自分を棚に上げる彼女たちの姿に胸が苦しかった。
実際に学生時代、芸能活動をしていたという監督。彼女の実体験があるからこそ描かれた物語には確かな説得力があった。

また、回想する人物があくまで物語の当事者ではなく、その外部にいることは少し不思議でもあった。
ある意味では『桐島、部活やめるってよ』を桐島目線から描いた作品とも。

技術面では、ドラマパートが4:3の画角になっていることも特徴的であった。
画面のサイズを変えることで、過去のシーンであることがより強調されていたように思う。

クライマックス、本作のポスターヴィジュアルに繋がる"乾いた音が鳴り響くあのシーン"は特に印象的で、陰鬱な高校生活をぶち壊したかった彼女の姿が胸に刺さる。

ラストカットでの"彼女"の確かなまなざしが全てを物語っている。
それに続く、作品と見事にリンクしたエンディングには、遠くで頑張る自分の同級生を思って明日を頑張りたくなった。
tetsu

tetsu