ゆめちん

告白小説、その結末のゆめちんのレビュー・感想・評価

告白小説、その結末(2017年製作の映画)
4.0
告白小説、その結末

美しい2人の女性にどんどん引き込まれていく心理サスペンス。

小説家のデルフィーヌ(エマニュエル・セニエ)が自分の母親が自殺した事件の私小説を発表しそのサイン会を行いますが、終了間際にファンと名乗るエル(エヴァ・グリーン)が現れサインをねだるところから始まります。

エマニュエルの小説が書けず、だんだんとエルに依存し憔悴していく繊細な演技も良かったし、エヴァ・グリーンの妖艶な雰囲気を出しながら、少しずつデルフィーヌの心の隙間に入りこみ支配していき、時折ヒステリックに豹変する女性も見事でした。
冒頭から感じるエルへの違和感、"エルの目的は何なのか?" 興味がこの一点に絞られます。

サイン会とパーティーのシーン、カフェのシーン、ガソリンスタンドで講演の依頼者に出くわすシーン、 少しずつモヤモヤが晴れていき、最後に赤いマニキュアが塗られた手が映し出された時、自分の中で勝手にパズルのピースがピタっとはまり、エンディングを迎えます。

見終わった後もなんとなく余韻が残る感じ、頭の中でもう一度最初から振り返りたくなる、そんな映画でした。
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