Binchois

影踏みのBinchoisのレビュー・感想・評価

影踏み(2019年製作の映画)
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横山秀夫原作はきっと練りに練られているのだろうが、複雑な相関関係をセリフだけで説明するのは無理がある。問題がよくわからないままに映像が進んでいくのが気持ち悪い。溜め込んだ感情を敢えて出さない場面では、山崎まさよしの演技が光るのだが(特に「8月のクリスマス」において)、爆発にまでは発展できないのが悲しいところ。結果として、あまりよくない意味で生気の抜けた仕上がりになっている。
画面が黄色っぽいと感じたのだが、フィルム調にする演出だったのだろうか?セリフの臭さ、光の当て方、感動を煽るBGMの入りなどが、70年代の刑事ドラマを彷彿とさせる。残念ながらそれらの演出は、オマージュの滋味ではなく、単なる古臭さに傾いてしまっている。
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