テリー微糖

鯉のはなシアターのテリー微糖のレビュー・感想・評価

鯉のはなシアター(2018年製作の映画)
3.7
一言で言えば
「愛嬌と味のある映画」でした

映画の前半が
安い予算で作った
宣伝ドラマばりのユルさで
どうなることかと思ったけど
終盤のカープの歴史の重さに
リンクした人情話は
強度があって凄く良かったと思う

カープファン号泣の前評判は
ダテじゃなかった!

結果、アラはあったけど
嫌味を与えることはなかったし
愛嬌ある味が出たという意味で
プラスに作用したので
良い作品になっているなと思う

観ても損はないし
十分に満足できると思います!

(ここから、詳細)

映画の初っ端から
主人公の心情吐露ナレーションがきて
「これは、珍品かな…?」と
ちょっと不安な出だし

中盤超えるくらいまで
物語の説得力を削ぐ方向で
ユルユルの「甘〜〜〜い!」演出の
釣瓶打ちで頭がクラクラ…
(©️スピードワゴン)

キッチンで洗い物してる奥さんと
食卓で酒を飲む夫の距離が近いのに
フォーカスが手前にあるせいで
奥さんの顔がピンボケしてたり

「最近、俺の店にも外国人増えたなぁ」
ってセリフを言ってる
お好み焼き屋の店主の経営してる店に
外国人はおろか
お客さんが1人もいなかったのは
さすがにズッコケた…笑

シーンの使い回しや
ナレーションの使い方に
少ししつこさが出たところも
あるにはあったかな…

でも、終盤でカープの歴史に
絡めて人情話をやってくるあたりから
別作品のように
ちゃんとカタルシスのある
物語が転がっていって
前半のユルさを挽回して余りある
良作になったなと思う

この独特の味という意味では
あえて「イモっぽさ」のある
キャラクターを演じている
矢作穂香さんの好演が光ってたと思う

というか、彼女じゃなかったら
ちょっと目も当てられない
作品になってた可能性もあると思う

カープの歴史に関しては
ナレーションで説明があるので
何も考えずに独特のユルさを
笑いながら楽しむには
もってこいだと思います

そして、カープファン
特に古参のファンの方には
凄くおススメの作品です!

ホントに余談なのですが
今日鑑賞した映画館で
ちょっとした上映トラブルが
あったりしたのも
作品の舞台が映画館だったので
なんだか味わい深かったです…
テリー微糖

テリー微糖