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アパートメントのRのレビュー・感想・評価

アパートメント(1996年製作の映画)
4.0
昔めちゃめちゃハマって何度か見て友人にも勧めた覚えが。ほんで、見た人みんなハマっていった。けど今見ると昔ほどのインパクトはなかったかな…。それだけツイスト&ターンの激しい映画が増えてきたということやろね。はじめて見るときは気づかないけど、本作のテーマは冒頭の指輪を買うシーンで明らかにされる。結婚指輪のための宝石を3つのうちからどれにするか選びかねてる主人公のマックスは、その後、3人の女の間で、めくるめく運命と企てに翻弄される…というラブサスペンスやねんけど、男側の視点から見ると、まぁ何とも美味しい限りの話であるなぁと思った。マックスは自分では気づいてないけど、まさにどれにしようかな状態笑 そういう意味ではオープニング通り。だが、本作の真の主人公は、実は女たちであり、中でも中心となるのがアレックスという女。この人は、ある日街中ですれ違っただけのマックスに一目惚れし、それ以来ずっと彼に近づくために様々な策謀を巡らせていたことがだんだん分かってくる。このキモいストーカー女アリスを演じるのが、キモい女を演じさせると右に出るものがないと私が勝手に思ってるロマーヌボーランジェ。けどある友人が、日本人男性の大部分はこの人が好きだ、なぜなら童顔で巨乳だからだと言っていた。そうなのか、と思った。個人的にはやはり何かキモい。で、こいつが恋に盲目になりすぎて頭がおかしくなる系の女で、2人目の女はマックスのフィアンセ(この人は脇役)、最後の3人目が絶世のクールビューティ、モニカベルッチ演じるリザ。こちらは突然姿を消して以来会うことのなかったマックスの元カノで、マックスはまだリザへの愛を忘れられない。アリスとリザはひょんなことから友人になるんやけど、このふたりが並んだときの雲泥の差といったら、かわいそうだ。それは置いといて。彼らをめぐる愛のサスペンスが、過去と現在を複雑に絡み合わせ、人称もクルクル変えながら、それぞれの人物にとっての真実を徐々に浮かび上がらせる形式で描かれ、かなりスリリングで面白い。鍵を使ったトリッキーなシーンでは、巧みなカットの連続で、ヒッチコック的にサスペンスを高め、思わず、あっ、と声出てまう。で、仕事も友情も貞操も何もかんもうっちゃって、ひたすらハラハラドキドキ恋愛に没頭してる男女を見ながら、ほんまコイツら終わってるわーと思っていたのが、最後の最後で、ええええええ! まさかのかわいそう! この切なさ! なんで俺までハートブレイク! てか、オレいまハートブレイク! ハートブレイク!!!
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