りっく

多十郎殉愛記のりっくのレビュー・感想・評価

多十郎殉愛記(2019年製作の映画)
3.0
伊藤大輔に捧げられた本作は、殺陣の所作ではなく、殺陣の陣形や立ち回るダイナミックなアクションで物語を動かそうとする活動屋・中島貞夫の思いが込められた一作。正統派時代劇の灯を消さないようにという気概が静かに溢れている。

高良健吾と多部未華子の武骨で不器用な恋愛模様は気恥ずかしさもあり、また中島貞夫らしいコミカルな場面も上滑りしている感あり。またラストの高良健吾VS寺島進の殺陣で決着をつけるのではなく、スローモーションで宙に舞う投げ縄で捕まるのが物語の結末として弛緩しており残念。
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