104分の映像作品の中で登場人物それぞれが亡くなったチワワちゃんとの思い出を語っていく。鑑賞者である僕は、ではチワワちゃんとはどういう人間だったのかと考えるわけだけれど、さっぱりわからない。でも、それでいい。なぜなら、他人のことなんて本当の意味では分からないのだから。
登場人物それぞれが語るチワワちゃんというのが紛れもなくチワワちゃんなんだろうと思う。本当にそれでいいのだと思えた。
故人を偲ぶ。それぞれの形で。そこに濃淡というのは特に優劣なんてつけなくていいし、つけられない。ラストで昔の仲間が集まって偲ぶシーンがある。それも偲び方の1つ。でも、その場所にはいない人物もいる。本編中で最もクソ野郎と言っていい人物だ。彼は彼なりに一人でひっそりとチワワちゃんを偲んでいるのでは?と思った。そうであったらいいなあと思う。
映像としてはとても面白いなあと思う。ただ、物語として乗れないのはなぜなのだろうというのが自分では分からなかった。刺さらないというのが表現として適切な気がする。
以下は個人的メモ
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ナンパの手法は基本的に同じ。
何となく今という時間に対してもやもやする若者たち。
見せ方のスピード感。鮮やか。
成田凌は相変わらずチャラい役が似合う。
盗んだ金でサマーバケーション
ただの旅行じゃなくて、盗んだ金というエッセンスが入ることで背徳感がある。
それが楽しいと思えるのは、おそらく10代から20代前半まで。
「振り返れば私たちの青春の自爆テロだった」
チワワってぶっ飛んでるのに意外と家庭的
「女の子は気を遣うから疲れて、男の子は楽だけど消耗する」
「残念だったね」
映画1本を観てもチワワのことはわからない。所詮、他人には当人のことを本当の意味では理解できない。
関わり方は人それぞれ。
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