つぐみ

チワワちゃんのつぐみのレビュー・感想・評価

チワワちゃん(2018年製作の映画)
3.0
ミステリー映画なんだろうなと期待しますが全くそんなことはありません。
お酒と煙草、喧噪と音楽、目まぐるしいカット割りとブレる画像で観ているこちらもユラユラな気持ちに。
ああこういうのをパリピって言うのね、若い人たちはエモいって表現するのね…
私は親世代でもあるので、大学生ってこんな生活しているのかと思うと(一部でも)憤る気持ちも沸いてきて。

まごうことなき青春映画なんですが、映画のターゲットから完全に外れている私たちがノスタルジーを感じることもない。
でもラストシーンに見えるある種の諦観だけは共感できて、エンドロールは気持ちよく見ることができました。

チワワちゃん役は全くの新人で大抜擢なんだとか。
伸びやかな肢体が本当に綺麗なんだけど、男ウケしそうな喋り方がイラつくのは親世代だからかな。
対する門脇麦ちゃんの血が通った感じが最高。
あとみんな言ってるけど、成田凌のクズっぷりがここに極まれり。

本題です。
このハードル高い作品を観なければならない理由、それは成河さんが出演しているからです。

「37歳のゲイのバーテンダー」と聞いたら誰もが思い浮かべる外観を具体化してました。
細い体、綺麗だけど疲れが見える横顔、わざとらしくなくゲイだと分からせる口調。
グラスを扱う所作が美しい。
退屈している彼らにキッカケを与え、いつでも優しい目線で見守り、キャットファイトで負けた女を慰める。
若手俳優ばかり大挙し出てくるオトナが少ないので、強烈な印象を残す浅野忠信が対照的でより際立ちました。
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