氷上の王、ジョン・カリーの作品情報・感想・評価

上映館(2館)

「氷上の王、ジョン・カリー」に投稿された感想・評価

ニニ

ニニの感想・評価

3.5
貴重な資料映像の数々、その全てが思わず映画館で手を叩きそうになるほど胸を打つ演技で、彼と同じ時代を生きてあのパフォーマンスを眼前で観た人が羨ましくて仕方ない。
彼の演技の映像だけをフルで鑑賞する上映会があったら絶対行きたい。

子供の頃にテレビで観たリレハンメルオリンピックで、幼かった私の心を奪った男子シングルの金メダリストは軸の通った見事なジャンプと素晴らしく長い手足に優美な演技を見せていた。
当たり前だと思っていたけれど、違ったんだ。
※YouTubeに高画質版が上がっているのを見つけた時は泣きました。
もう1度見られるなんて、思ってもみなかった。
https://youtu.be/TJm0o3XKf_s

競技や芸術上の取り組みよりも本人のセクシャリティが好奇の目に晒されセンセーショナルに取り上げられたことの悲哀を訴えつつ、この映画の視点も彼がゲイであったということに一定水準フォーカスしているという矛盾にジレンマ。。
好奇の視線では見ていないつもりだけれど。

配給:アップリンク
bachy

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3.0
フィギァスケートは、好きでマイシーズン観てるけど、この方は、知りませんでした。

今でこそ、フィギァスケートは、アーティスクスポーツと認められてますが、競技としか認められなかった時代ジョン カーリーの目指すところは、今の選手に繋がっているしフィギァスケートを進化させたのがジョン カリーなのだと思った。

今年は、ボヘミアンラプソディーから、なんだかゲイものに縁があり…というより天才にゲイの方多いんですね。

才能ある人々を尊敬せざる得ません
mst

mstの感想・評価

3.8
フィギュアスケートはテレビで見る程度で特に選手の名前にも詳しくはないけれど、男子フィギュアスケートをバレエを取り入れて今の芸術的なスタイルに押し上げた人ということで鑑賞。

今のスケーターが上手くないということはもちろんないけれど、第一人者というだけあって頭一つ抜けているという印象を受けた。
華があるというよりむしろ目が離せない。
集団で滑っていてもどこにいるかわかる絶対的な存在感。
月並みな言葉で表現するならばこれが格が違うということなのだろう。

ただ、プライドが高く実力もあり、それを他者にも求めるという点で、この人はソロ以外では滑れないし、いつか自分に殺されるタイプだろうと思った。
実際彼のアイスショーはビジネスとして失敗している。

当時のジョン・カリーのスケーティングの映像がほとんど残っておらず、画質も良くなかったことだけが悔やまれる。
素晴らしく美しいスケート!
日本でのショーの際の、超下らない「エキサイト メーター」、バカみたいな壁の広告、本当に申し訳ない…。アーティストとして許し難かったよね。(なのに応援上映って!)
yuko

yukoの感想・評価

3.8
フィギュアスケートが好きなので
とても良かった。
普段、競技会ばかり見ていると
決められた時間と技の演技に
慣れていたけれど、
この映画を観て、
フィギュアスケートの
無限の可能性を感じた。
もっとショーも見たいと思いました。
柊

柊の感想・評価

3.1
私には若干退屈ではあった。
1976年のインスブルックオリンピックって記憶にあるはずなのにジョン・カリー全く覚えてない。ドロシー・ハミルもイリーナ・ロドニナ、アレクサンドル・ザイツェフも覚えているのに変ですねぇ。
音楽との融合、音楽の持つ世界観の表現が今では当たり前だけど、当時の男子フィギュアの世界では異端であったのだね。彼の持つ性的指向と混同されて言われなき差別との闘いでもあったのだな。なんでも先駆者は茨の道よ。
それにしても劇場のステージに水まいて氷作って滑るとか?今では想像もつかない。

そしてそしての摩訶不思議。アメリカという国は、ゲイは病気だから矯正できると考える一方、当時から解放区みたいな州もあるのだ。自由と言えばそうなんだけど、あまりにも落差が…
ラウぺ

ラウぺの感想・評価

3.8
1976年のインスブルックオリンピック男子シングル金メダリストのジョン・カリーのドキュメンタリー。

ジョン・カリーのことはこの映画の告知を見るまで知りませんでしたが、フィギュアスケートを「スポーツ」から「アート」の領域に引き上げた人物として名を残しているとのこと。
映画を観るまでは4回転の時代に40年も前のスケート選手のドキュメンタリーなんて・・・などと思ったりもしたのですが、実際は大きく違いました。
なのでジャンプの高さとか、回転数だのといったフィギュアの技術的な側面は殆ど出てきません。

ジョン・カリーはインスブルックで金メダルを獲った後にプロに転向し、ショーとしてのスケートを見せるカンパニーを設立、ロイヤル・アルバート・ホールやメトロポリタン歌劇場などで公演を行い、成功を収めます。
そのスケートは紛れもなく競技というよりバレエのそれに近く、ポーズを固定したままスムーズな移動が可能なスケートはバレエにはできない表現の可能性を押し広げることができた、とのこと。「スケート界のヌレエフ」といわれたとの話もむべなるかな。
映像は当時の解像度の低いTV映像や個人の撮影などがメインで、お世辞にも見易い画像とはいえませんが、その演技の華麗さは充分窺い知ることができます。
肝心な部分で映像はしっかり映画に登場し、むしろ貴重な映像をよく集めたという気がします。
また、音楽はこの作品のための別録りで映像に重ねてあるので、音響的には大変満足のいくものとなっています。

早々にプロに転向するなど、彼のスケートに対する姿勢というか目指す方向性は早くから定まっていたことが窺えますが、その完璧主義ともいえる姿勢は周囲にさまざまな軋轢を生み、成功の影で孤独を深めていく様子は才能のある人あるあるな、典型的な例を示しているようです。
また早くからゲイであることが世間に知られたこととAIDSが蔓延し始めた時期と重なることで彼自身も感染し、その生涯を終えることになる顛末は、これまた天才にありがちな不幸と言えます。
この人に限らず本家のヌレエフやフレディ・マーキュリーなどさまざな人がAIDSで亡くなり、治療法も感染原因もよくわからないあの時代にゲイであることは非常に辛かっただろうことは想像に難くありません。

演技の映像の他に本人のTVなどへのインタビュー、それに知人への取材映像と手紙の朗読(オリジナルの手紙を画面に重ねることで筆跡や訂正の跡などがはっきり見える手法は非常に効果的)で、その人となりと心の軌跡を丁寧に伝える良質のドキュメンタリーだと思いました。
『氷上の王 ジョン・カリー』鑑賞。

40年以上前にバレエを取り入れ、フィギュアスケートを芸術の域に高めたジョン・カリー。

アスリートとして1人の人物としての光と影が記録映像や関係者へのインタビューを通して綴られた、上質なドキュメンタリー映画でした。

いま見ても繊細で優雅な美しい演技にウットリ。
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