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ウタモノガタリ CINEMA FIGHTERS projectのtetsuのレビュー・感想・評価

3.3
無料配信で鑑賞。

LDHの楽曲と、著名監督達がコラボレーションしたオムニバス映画の第2弾。

[総評]
前作同様、LDH所属俳優のプロモーションも兼ねた本編前の舞台裏映像は継承しつつも、各作品のクオリティが格段に向上し、主題歌もバラードが増えているため、純粋にクオリティが上がっていた。
PR映画の側面が押し出されていた前作から、アート系映画に昇格した印象が強く、かなり映画としての完成度は上がっていた。


以下、各作品の雑感。


『ファンキー』
監督:石井裕也
☆×3.4
"あの日"に母を亡くしたギャングのお話。
冒頭の『Uptown Funk』パロディは、若干滑っていたような気もしないが、楽しそうだったので良しとする。
感情を一番に表現できるのが、ダンスだと分かった男の物語だというのは理解できるが、やはり尺が足りなさは否めない。


『アエイオウ』
監督:安藤桃子
☆×3.7
人類滅亡を阻止するために任務に挑む男と彼の恋人との物語。
短編に向いていないテーマを選んだがために、かなり観客への配慮が不親切になってしまったようにも感じる短編。もちろん、それぞれの解釈に委ねるアート系ではあるのだけれども、それにしても不可解な部分が多すぎる。しかし、監督のインタビューを拝見すると、作家性は見失っていないようにも...。

参考
白濱亜嵐主演のショートフィルムを監督安藤桃子が高知で起こす革命とは?|MAGAZINE|Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE
https://sst-online.jp/magazine/1517/


『kuu』
監督:平林勇
☆×2.7
踊りで対話する部族の物語。
発想はいいものの、1カット1カットが長く、BGMも単調なため、飽きてしまうのが、大変、苦しい一作。本当の主役は自然そのものだと考えると観れなくもないものの...。

『Our Birthday』
監督:Yuki Saito
☆×3.9
亡き恋人を思い続ける男の物語。
ストーリーがシンプルかつメッセージもド直球なので、今回のオムニバス映画で一番クオリティは高かった。だからこそ、エンドロールの安っぽい演出が気にかかる。

『幻光の果て』
監督:岸本司
☆×3.2
同じく、亡き恋人を追い続ける男の物語。
2連続で似たような話をされると、新たな展開を望んでしまうが、ほとんど一緒だったため、かなり、萎える。とはいえ、本作では主人公の狂気が、より強調されていた。(あと、ロケ地のバーは、多分、『HiGH&LOW』でお馴染みの場所...。)

『カナリア』
監督:松永大司
☆×3.3
またしても、亡き恋人を思い続ける男の話。
さすがに似たあらすじの物語が3つ続くのは辛い。作品順をもう少し、練ってほしかったという部分は否めない。
ただ、ヒロインが夏帆、脇役が塚本晋也という配役は個人的に好きではあった。
後半、多少の進展はあるが、すでに他の短編でもとりあげられた題材ということもあり、かなりオチの印象が薄れてしまっていた。
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