サイトウ

ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間のサイトウのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

カニーニとカニーノ
印象的、抒情的演出が多く、感情優先の映画というか、宮崎駿監督の影響を色濃く受け継いだ作品になっていたと感じました。
短編故か、妄想を妄想のまま映像化したような、監督自身の実験的作品だったようにも感じました。
しかし、例えばこれが長編になるとしたら、陸上に上がるときにカニでもある主人公たちが『ぷはぁ』と人間のような呼吸法を果たして取るのか、怖い魚たちは日本の魚なのか外来魚なのかなど、人間のようで人間でない存在の生活や営み、作品としてのテーマがもっと見られるかもしれないと思うと、余計に妄想が膨らむ作品でした。
タマゴ
短編映画という決められた枠で、最大限の満足感が得られたような作品でした。
食物アレルギーのない自分には殊更新鮮に感じることが多かったです。
母親と幼い息子という関係性もリアルに表現されていたし、主人公の抱える問題が年齢に対して重い分、クラスメイトの温かい反応が作品全体の幸不幸のバランスを綺麗に維持していたと思います。
透明人間
『透明人間が何者であったのか』という、こちらの解釈次第で作品の意味が変わってくるような、ちょっとミステリーな感じがとても良かったです。
最近、こういった見る側にも何かを要求するような作品が減ってきたような印象を受けるので、当作品のようなもう少し尖ったものがあってもいいのかななんて思います。
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