鰯

止められるか、俺たちをの鰯のレビュー・感想・評価

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
3.3
理屈は映画に映らない

若松孝二を中心に様々な才能が集まった1969年、1人の女性が助監督として若松プロダクションに加わる。「何を撮りたいかはわからない、でも監督にはなりたい」と語る彼女は「何か」を見つけることができるのだろうか。

っていうストーリーを想像して劇場に向かったものの、意外と群像劇っぽかったのでかなり残念でした。その時代に見たことを当事者でもあった監督や出演者が盛り込もうとした結果、何だかモノマネ集っぽくなってしまった気がする。
確かに風変わりな面々や独自の映画に対する考え方、社会に対する挑戦のあり方など、場面場面でおもしろい!と感じたことも多々ありましたが、何といっても主人公の吉積めぐみさんの視点が薄い。もっと「彼女から見た男社会の若松プロ」が観たかったなあ

同じ「クリエイターの自伝的邦画」としては、同じく今年公開の「素敵なダイナマイトスキャンダル」の方があらゆる点でよかったと思う。
ちなみに門脇麦さんの演技は最高でした。あと、パンフには分厚いインタビューが載ってて買いです
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