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止められるか、俺たちをの1のレビュー・感想・評価

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
3.4
タイトルに惹かれて観たいと思い、若松作品は1つしか観てない状態で観に行った。


映画界をぶっ壊してやりたいという若松孝二の怒り,情熱、そしてそれに共鳴し共に作品を作る弟子,仲間達

そしてその中で自分の作りたい映画は無いながらも若松孝二の作る映画の熱に惚れ、その渦の中でもがく主人公を観て自分の中にあるどうしようにもない情動を感じた。

60,70年代の雰囲気を感じながら、今の保守的な閉塞感漂う世の中の流れ、規制でがんじがらめにされた表現に思いを馳せた。

映画の中で言っていた、俺達は敗北主義で良いのか、という言葉がとても刺さった。

マイノリティはマジョリティに立ち向かったとしても数の力で負けてしまう。そんな中で育まれる敗北主義の考え方とその中で少数の人にしか分かってもらえない小難しい映画を撮ることに表現手段としての意味はあるのか。

マイノリティの意見とマジョリティの意見のどちらに真実があるのかは分からないにせよ、
世の中では異端と思われてる人達、異常だと思われてる考え方の人達の中にもひとつの正義があり、その抑えきれない怒りや気持ちがこういった映画という作品に向かうことでひとつの芸術が生まれるんだな、ということを感じた。


でもそんなことより何より青春を感じた。映画全体の雰囲気に
そして若松プロダクションの空気感に

自分もそんなふうに青春しながら生きたいな、と切に感じた。
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