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止められるか、俺たちをのDickのレビュー・感想・評価

止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)
4.3
❶マッチング:消化良好。
➋若松プロが誕生したのは1965年だが、本作の舞台となるのは1969年3月から1971年9月までの2年半で、歴史の一部分を切り取っている。
内容は5つのパートに区分して描かれる。これは、門脇麦が演じた吉積めぐみが若松プロに在籍していた期間である。
①1969/3新宿、②1970/4、③1971/3、④1971/5、⑤1971/9/30
➌本作の主な登場人物は皆若い。主人公の吉積めぐみが21歳、大将の若松孝二が33歳、足立正生が30歳、荒井晴彦が22歳、等々。
❹彼等の型破りではあるが、エネルギッシュでダイナミックで創造的な行動力は凄かったと思う。
❺人物全員が実名で登場するが、若松孝二を筆頭に、足立正生、大和屋竺、荒井晴彦、大島渚、松田政男、赤塚不二夫等、後年、小生が直接会ったり、メディアでお馴染みだった人が多く、役者が演じる人物とのイメージに違和感があった。
①若松孝二を演じた井浦新は、地声を殺して、メイクも若松に似せていて、努力していることは認めるが、生身の若松孝二を知る者(下記❽参照)としては、かなり抵抗があった。
②足立正生役の山本浩司と、大和屋竺役の大西信満以外の若手俳優は、人数が多く、あまり馴染みがないので誰が誰なのか分かりにくかった。
③門脇麦が演じた吉積めぐみに関しては、本作で初めて知ったので、違和感はなかった。彼女の行動に関しては理解は出来るが共感は出来なかった。本作の門脇麦は主人公としての印象が少し弱かった。
❻全体としては、初期の若松プロと関係する人達の動向が良く分かり、好奇心が満たされた。
❼ラストに「この映画を 我らが師・若松孝二と この時代を駆けた人々に捧げる」との字幕が出る。
この瞬間、「白石和彌、よくやった!」と思った。
❽若松孝二監督との個人的な関係
①1990年代にシネマスコーレ(若松孝二監督がオーナー)の会員になって以来、毎年の「忘年会」や「シネマスコーレ20周年記念パーティ(2003/2)」に出席される若松監督と、会員中の1人として話しする機会があった。
②2005年の「第1回甲賀映画祭」では、クロージングで若松監督の最新作、『17歳の風景 少年は何を見たのか(2005)』を上映した。当時、小生は実行委員で、フィルム代、謝礼、舞台挨拶、パーティ、抽選会グッズ、ホテル、公式ガイドブックの記載内容等に関して若松監督と何度も交渉した。電話・FAX・面談。若松監督には2泊して頂き、十分な懇親が出来た。
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