ヴレア

人間の時間のヴレアのレビュー・感想・評価

人間の時間(2018年製作の映画)
2.0
突然の訃報に衝撃を受けた。
キム・ギドクの作品はほぼ全て追っかけて観てきたのだけど、単純に面白いからというよりは、他のどの作品とも似ていない圧倒的なオリジナリティを感じたからに他ならない。時に衝撃的なテーマで、また時には寓話のようなファンタジー性で、観る者の想像力を刺激してくれた。
最近の作品はあまり好きではないが、それでも新作が出る度に期待せざるを得ないような、そんな特別な監督だった。

この「人間の時間」もまた期待外れな内容ではあったが、相変わらずのギドク節は感じられたし、タイトルからは想像もつかないような衝撃的な内容であったので度肝を抜かれた。

もうはっきり言って何処へ向かってるのキム・ギドクは?というのが率直な感想だった。あまりにもめちゃくちゃ。あまりにも狂ってる。登場人物全員が狂っていて、誰一人として感情移入できない。
そして、問題の謎の"空間"である。
これは一体何を表しているのか、何も説明が無い。
置いてきぼり感が凄い。
この地獄のような展開を通してキム・ギドクは何を伝えたかったのだろうか?
やっぱり人間の愚かさだとか、滑稽さなのだろうか。
性欲が先か食欲が先かという事なのだろうか。
その答えはキム・ギドクの脳内にだけ存在するのだろう。

─合掌─
ヴレア

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