舞

人間の時間の舞のレビュー・感想・評価

人間の時間(2018年製作の映画)
1.0
監督には、人間社会はどう見えているんでしょうね。
私たち人間はそんなに分かり易いですか?
性、金、欲、権力、暴力 私たちはそんなに滑稽な生きもんですかね?

キム・ギドク監督の作品は、本当にしんどいですね。体調が良い時じゃないと見られないけど、見たら体調悪くなります。

予告編やあらすじ紹介なんかでは、突如として船が空に浮かぶと言うパワーワードがまず飛び込んでくるかと思うのですが、
結局この作品全体を神話的な、寓話的な雰囲気にする為に必要だったのでそうしたのかなぁと思います。

登場人物も、人間の悪き部分を煮詰めた様な、非常に記号的な表現をされていると思います。
ですので、感情移入なんて全く必要ないのではないかと思います。
設定に考察も何も要らんのではないかなぁ、と。桃太郎に対して、なぜ桃から人が??と今更誰も言わないのと同じ感じ?
ギリシャ神話でも見てると思って鑑賞すればいいのかなぁなんて。具体的に、現代社会に反映できる様な人生の教訓みたいなのもない気がする。

母親を追い回す息子を見た時は、『馬鹿にすんじゃねぇぞ』と私は強烈な怒りを感じましたね。
人間を馬鹿にすんな、と。あんたには私たちが猿かなんかに見えてんのか、と。

私は作品と作者を切り離して考えられないタイプの人間ではありますが、それだけではない怒りを覚えた作品でしたね。
舞