ゴリラ

人間の時間のゴリラのレビュー・感想・評価

人間の時間(2018年製作の映画)
3.5
韓国映画通算400本目
キム・ギドク22本目の監督作

空飛ぶ戦艦ディストピアへ向かって出航、ギドク波動砲全開で発射!!

何かこの監督にしか描けない独特なディストピア映画だったなぁ~…
同じく暴力的描写が多く独特な世界観を持つパク・チャヌクと比べても、どこか“ちゃちさ”を感じさせるとこが何か憎めない
生粋のインテリ系とは違って軍人上がりのキム・ギドクからは、オラは細けぇところは気にしねぇぜ!これでも喰らえ!みたいな荒らさを感じる
(気にするディティールが違うってのもあるだろうけど…)
キム・ギドクの描いたドロドロディストピア絵本を顔面に押し付けられて「いや、近い!近い!」って感じかな(笑)
完全胸糞な内容なんだろうけど、何か寓話的だから感情的にはならなかった


藤井美菜×チャン・グンソク×オダギリジョー×アン・ソンギ

イヴ役藤井美菜さんはお初にお目にかかる女優さん
日韓両国でご活躍なのね
山本美月+森泉÷2みたいな雰囲気
超絶散々な役を頑張っておりました!お疲れ様です!

アダム役チャン・グンソクもなかなかチャレンジングな役所だったなぁ~
損なんだが得なんだか分からんわ!(笑)
あと急に日本語喋るからビックリした!

『悲夢』に続いてキム・ギドク作2本目の出演のオダギリジョー
前作は夢と現実がゴッチャの世界観だったから“何故か韓国人にも通じる日本語”って設定飲み込めたけど、今回も通じるんかい!もうキム・ギドクなら何でもいいよ!(笑)

アン・ソンギは『下女』に子役から出てて芸能生活63周年なのね!凄い!正に韓国映画の生き字引だわ~
キム・ギドク名物“喋らない男”は今回は彼が引き受ける
立場的にはアダムとイヴで言う蛇ってことになるのかな?


全体的にキム・ギドクワールドなのは確か何だけど、後半の土と種の使い方が正にキム・ギドク節!そことそこに土と種植えますかぁ~(笑)
そんで終盤畳みかけていくわぁ~
一旦落ち着かしてからのラストがまた何とも言えない気持ちにさせますな~
あっチャ~…


本作でキム・ギドク映画22本コンプリート
しっかり考察して楽しむこともできるんだろうけど、個人的にはガワだけでも十分楽しめる監督だなと
彼にしか出せない独特なアイデアが好きなとこかな
ただ寓話的で抽象的な部分が際立って、いつも感情的には刺さらない
まぁ、それも一つの個性なので、今後も新作出たら観ていきたいなとは思う監督
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