群青

ONE PIECE ワンピース THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島の群青のレビュー・感想・評価

3.2
FILM REDを機に再鑑賞&再レビュー。


2005年劇場鑑賞。


映画館に足を運んだのはねじまき島以来だった。おそらくワンピースに対する熱が下がっていた時期だと思う。というかこれだけ長期の連載になると熱の上がり下がりがあるわ笑


熱が低くても観に行ったのは最高に好きだったぼくらのウォーゲームの細田守監督だったから。
その時は普通に面白かったーと満足したのを覚えている。

冒頭のワクワク感が好き。金魚すくい?ただの金魚すくいかと思いきや…?が良かった。
ぼくらのウォーゲームが好きだったので同じようなテンポ感がツボだった。同じ背景の中でキャラが動くさまとか、掛け合いの時いちいち視点が変わるところとか。
あと影のなく線の細いあのデザインが好き。中央で動くキャラ以外の後ろにいるキャラのあえての雑な書き込み具合も好きだった。

要はそもそも細田守監督特有の描き方がツボだった。


しかしこれがどうやら賛否両論だったというのは後になって知った。

確かにストーリーがダーク。
最初こそサブタイトルに嘘偽りなくオマツリ騒ぎなのだが、チョッパーが島の謎に触れるところから一気にシリアスになっていく。
そしてそれまでアニメも原作もなかったルフィが追い詰められるところまで追い詰められる。
実はこの後原作でシャボンディ諸島で一味が離散・完全敗北するのだが、まるでそれを予知していたかのよう。

今回再鑑賞して思ったのはルフィが絶望するシーンは田中真弓の演技が凄まじい。これ、収録大変だったろうなと笑
しかも矢が刺さりまくってるところとかは原作からも離れたタッチになるためホラー具合が増す。白目で手を伸ばすルフィ。エースが死んでもここまではならんかったのに笑

ラスボスのあるシーンは劇場では当然何もなかったが、今見ると黒い影の修正が入り見えにくくなっている。どんだけグロいんだ、そしてそれを何も抵抗無く観てたよ俺!笑


ダークなストーリーは細田守の当時の境遇が反映されていると思う。
ハウルの動く城を監督する予定だったのが完全に白紙になりスタッフも全て離れていった。誰かがいなければ何もできないという絶望は、仲間がいなければ何もできないというルフィとまんま重なる。


そんな絶望に打ちひしがれたルフィを助けるのがオリジナルキャラのチョビヒゲ海賊団のブリーフ。ワンピース屈指の不遇キャラでルフィ以上の絶望と恥辱を味わっている屈指の不遇キャラ。今回はこっちに感情移入した。チョビヒゲ!


総じて映画シリーズ全体を通してもテイストは違うもののおれは好き派だぜ!
群青

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