このレビューはネタバレを含みます
作家性を排し、「雑誌編集者」という職業をフラットに描いた、作風・題材二重の意味での”職人”映画。
予告で全面に押し出しされていた騙し合い要素はそこまで多くなく、あくまで仕事人たちの物語から逸脱していないのに好感が持てる。
置かれた環境を最大限利用し、存分に仕事を楽しむ大泉洋と、倫理観を保ちながらも時に大胆で、したたかさを身につけていく松岡茉優のキャラクターが良い。
ネットや電子書籍の台頭によって改革を余儀なくされた出版業界の策として、「その店でしか買えない、ローカル性を突き詰めた商品」という発想は面白く、それが大手出版社という巨大組織のしがらみに揉まれた先で辿り着く答えなのも痛快。
池田エライザの描いてた女体と銃身の融合体がめっちゃいい。あの美貌と危うさを兼ね備えた役柄にベストなキャスティング。