ATSUSHI

旅のおわり世界のはじまりのATSUSHIのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
3.2
すべての迷える者たちよ、強くあれ



教養的な内容であったのは確かだけど、本当にやりたい仕事と生計を立てるための仕事の狭間で揺れ動く女性の物語、とは少し違ったかな?
あれだけ心ここにあらずとばかりに俯き続けたり足取りがおぼつかない葉子が自立してみせるまでの心の旅。

撮影クルーの描写こそリアルで、淡々と作業こなすなかでどうしても漂う殺伐とした空気が本当に居心地悪い。その撮影がまた葉子の不安感を悪化させる物語展開があればより良かったのだか…

好きなシーンは中盤のオペラ。
虚無感ばかり漂う撮影現場の合間にふと訪れたファンタジー。まるでというよりは、本当に夢のなかへ誘導されていくような美しいシーンだった。
あと、あの変なアトラクション!
3連チャンでやるとはおバカが過ぎるのでは?笑


とあるインタビューでのケイト・ウィンスレットの言葉もちょっと思い出した。
<結局のところ、人生は一度きり。欲しいものは掴みにいくしかないのだし、自分から問い出さねばどこにも辿り着けないのよ>


迷った時こそ、強くあれ
そんな声が聞こえてくる作品です。