ぬっきー

旅のおわり世界のはじまりのぬっきーのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
3.0
監督があっちゃんをウズベキスタンで撮りたくて仕方なかったんだなぁという映画だった。
とってつけたように起こる物語を推進するエピソード、一応設定しておきましたという感じの主人公の葛藤、妙に深い登場人物たちのセリフ。
映画に何か意味を求めたい時にはハテナの映画だった気がする。

映画の物語の意味づけは、ふつう脚本家が映画の世界を構築して行く過程で行なっていくけれど、この映画は少し違う。
起きていることへの意味づけをあっちゃんがしてる感じ。
すなわち、あっちゃんがどう感じてるかを感じる私たち観客がしてる感じ。
日常も案外そんなもんじゃないか?
そのときの状態で、そのとき起きたことに意味づけを行なって、明るく受け止めたり暗くなったりする。
なんかその辺がこっちに全部投げられてるから、物語がないように感じるんだろうなと思った。

でも、とっても自由で、観てるだけで楽しくて、なんか元気出た。
いきなり歌うし。

あっちゃんが火災をテレビで見て「原発ですか?東京の原発ですか?」みたいなことをいきなり言い始めた時は、パラレルワールドに投げ込まれたかと思った。
東京に原発ないし。
あっちゃんがそう最初に思わなきゃいけない理由も描かれてないので、とても作り手の意図めいたものを感じるセリフだった。
ぬっきー

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