安井文

旅のおわり世界のはじまりの安井文のレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
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まっすぐしか進めない主人公。言葉も通じないウズベキスタンで誰にも何も聞かずに自分の意思だけで進む。とても危なっかしい。

閉じた心が開いて、見えなかったものが見えてくる。
その瞬間を捉えた作品かな。

前田敦子さんって不思議な魅力がある。

主人公がバイクの後ろに乗って草原を駆け抜けるシーンがアッパス・キアロスタミ監督の『風が吹くまま』を思い出させる。

シンプルな物語。
ウズベキスタンを舞台にすることで、物語から無駄なものが省かれていて、主人公の気持ちの揺れがストレートに伝わってくる。
日本を舞台にしていたら、現実が作中のリアルの邪魔をする。
感じさせるものが一切ない異国だから、主人公にだけ集中できる。

まるで違う風景、文化、人々…その中をただただ歩く主人公や撮影クルーたち。彼らはどこに行っても異質。その姿は世界の中で。日本はちっぽけな国だと思い出させてくれた。

まあつまり、黒沢清監督の作品、やっぱり好きってことです。