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旅のおわり世界のはじまりのesのレビュー・感想・評価

旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)
3.8
物語の5分の4くらいはフラストレーションが溜まる描写ばかりだけれど、最後の雄大な自然と前田敦子の憑物が落ちたようなスッキリとした表情が良かった。
かつては、あの手のTVディレクターが居たかもしれないけれど、今はいないと思う。
サスペンス要素の全く必要がない部分でも撮り方が怖い。ドアベルが鳴るまでのドアの映し方が怖い。意図しているのだろうけど雑味が増える。絶叫マシーンのシーンもまるでレイプシーンを見ているかのような気分になった。
黒沢清監督の撮る「予感」の要素はその必要が無い部分でもサスペンス調になってしまう。ヒッチコックが撮ったラブコメを思い出した。


監督が伝えたい事は大体カメラマンのイワオと通訳のテムルが代弁している。
トルコのエルトゥールル号の話を思い出した。日本人が忘れてしまったけれど外国の方が大切に覚えている事。かつての日本人の罪や功績、日本人は忘れてはならないものをポロポロと忘れていっている。

最終的には楽しめたけれど、日本とウズベキスタンの国交樹立25周年、及びナヴォイ劇場完成70周年記念の国際共同製作作品としてウズベキスタンの描き方はこれでいいのかと思う部分はあった。「何故知ろうとしないのか」という所で解決はしてるんだけど、もっと素敵な所が沢山あるからこれを観たら自らの手でウズベキスタンの事を調べて知って欲しいと思った。
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