肉まんみたいな映画。
肉としての中身は悲哀と教訓がぎっしりつまっている。だけどそれを包み込んでいる皮は、明るさと前向きさ。
小学生から、女将という皮に包まれて役割をになうことで、おっこは成長します。それは個性を殺すことではありません。個性は型にはめても輝くということ。そして役割という皮を厚くしていくことは、自分の中に抱えているものを大切に守っていくことなんだと思います。
公としての自分と、個としての感情。この両方が自分を強くしてくれるということ。だから皮を食べて中身を口にしたときに泣ける。なんのこっちゃ。
…なんてことを言うのが、野暮ですわなー。この映画、解釈論を語りたくなりますが、小難しい説教話ではくて、むしろそういったことを微塵も感じさせない「明るさ」が、素晴らしいところなんですけどね。
暗い話しになりがちなテーマを、こんな明るさと前向きさに転換できるアニメーションという表現の懐の深さ。もちろん、それを引き出した制作陣に拍手。
