ShinTakeuchi

若おかみは小学生!のShinTakeuchiのネタバレレビュー・内容・結末

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジブリで宮崎駿の右腕として活躍した高坂希太郎監督作品。「ナウシカ」や「ラピュタ」では原画を、「もののけ姫」「千と千尋」、「風立ちぬ」では作画監督を務めたのだから、これはもう筋金入りである。

主人公は死者を想う。幽霊が出てくる。死者も幽霊も、生きていたのは「過去」である。
ゆえに、一貫して「もう帰らない、喪われたものへの想い」がかき立てられる映画である。

エピソードの寄せ集め感がないわけでもないが、それぞれのエピソードは破綻なく収斂していき、1本の映画としての完成度は低くはない。

職業、というか、「はたらく」ということへのリスペクトが厚い。そうして、主人公の必死さがストーリーを動かしていく。

小さい子供を主人公にして、その両親が死んだ、という設定は、なんと言うかズルいわけで。でも本作は、そのズルさに甘えず、安易なお涙頂戴を避けたフェアな演出を志向していて、好感が持てる。

宮崎駿譲りの飛翔シーン、舞台となるところの建築や地形の面白さなど、見所も多い良作。
ShinTakeuchi

ShinTakeuchi