このレビューはネタバレを含みます
<ザックリ評価>
無機質感の漂うテンプレ寄せ集め邦画アニメ。
<魅力>
・小奇麗に纏まっている
<不満>
・軽薄
・絵柄が安っぽい
・ファンタジー要素盛りすぎ
・リアリティが作用しない
・心理描写が手抜き
<詳しい感想>
あまり好きじゃないジブリも、絵柄に関してはある種の境地に達して個性を確立されている事は全面的に評価するけど、最近の邦画アニメはこの作品といい、どこにでも転がってるような絵柄を寄せ集めたような個性とは程遠い作品が多い気がする。シナリオもどこかに転がってるようなプロットを寄せ集めて上手く纏めた感以上のものは感じず、まあそのへん全体としてのバランス感は上出来とは言え、見ごたえがあったか?と問われればNO。
主人公の人格が完成され過ぎて、もはや無機質感すら感じる。祖母も両親失った直後に部屋で叫んだり庭に向かって大声で会話してる孫を見て嗜める程度でスルーするレベルのアスペ(まあ両親の死自体軽く流される展開だったが)。いや、もっと心配しろよ。その他の登場人物も如何にもテンプレ感が漂い、まったく心に響くものが無い。
主人公に輪をかけてチートなライバルが出てくるが、これも如何にも現代的な妄想を具現化したようなキャラクターで石を投げれば当たるレベルのテンプレ。無機質な人間模様とチートづくしでもはやリアリティの入り込む隙は無く、「子供の人権が云々」とかいう野暮なツッコミが届かない領域にまで達してしまっているが、冷静に考えたら最初から普通に幽霊とか妖怪が出てきているので、そもそもリアリティとは無縁の作品であるし、リアリティとリンクさせて感情移入する類の人種にとっては鬼門の作品と言えるだろう(←そして私は懲りずに毎回騙される人種)。
<蛇足>
この作品タイトルはリアリティの世界においてインパクトを発揮する文面だけど、ファンタジーの世界においての存在意義は皆無。すなわち、巧妙なタイトル詐欺と解釈されても仕方のない内容だと思う。