rage30

若おかみは小学生!のrage30のレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
-
前評判から「お涙頂戴系の話なのかな~?」と思っていたのですが、個人的には、そんなに涙腺は刺激されませんでしたね。
それよりも、ビルドゥングスロマンとして楽しませてもらいました。

主人公のおっこは若おかみとして、様々な客を受け入れていきます。
それは同時に、自分の嫌な部分や弱い部分を受け入れる行為でもあったのでしょう。
「花の湯温泉のお湯は誰も拒まない。全てを受け入れて癒してくれる」という台詞通り、おっこは自らの痛みや悲しみを受け入れる事で癒されていきます。
劇中、グローリー水領が手本を見せた様に、自分で自分の慰め方を知る事が、大人になるという事なのかもしれません。

派手さはないものの、豊かで暖かみのある映像はジブリ映画を思い出させますし、居場所を失った人間が居場所を見つけるまでを描いた普遍的な物語でもあります。
タイトルやキービジュアルから敬遠してしまう方もいると思いますが、老若男女問わずに楽しめる作品だと思いました。
rage30

rage30