小学生が住み込み旅館の女将になる映画。
お話の最初からこの主人公おっこさんを応援したくなる。このおっこさん、やや出来すぎなのではとも思ってしまうんだけど、だからこそクライマックスのあの悲劇を前にして感情を吐露するシーンでこちらもボロボロに泣かされてしまった感じがする。
ずっとしっかりせねば、と振る舞ってきたおっこさんに「鬼か」ってくらい正に鬼畜な悲劇が降り掛かってくるんだけど、それでも自分はこの旅館で若おかみとして生きていくんだ、という改めて宣言するこのクライマックス。泣き死んでしまうのではないかと思うぐらい号泣した。
最初は小さな蜘蛛やトカゲにも怯えてたおっこさんが終盤で見せる成長も感動した。脇役の幽霊達も、「この幽霊とおっこさんがわちゃわちゃしてるところをずっと見たい!」と思わせられる、魅力的なキャラクターたちだった。
大切な人との別れ。これをこんなにシンプルに、切なく、そしてハードに「前に進むことなんだ」ということを教えてくれる、ホントに素敵な作品だった。