ずどこんちょ

若おかみは小学生!のずどこんちょのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
4.0
交通事故で突然、両親が亡くなってしまった小学生の女の子が、祖母の営む温泉旅館で健気に生きる奮闘記です。
大人なら涙無くして見られない感動のアニメでした。素晴らしかった。

本作からは「生命と死」というテーマが強く感じられて、両親の死と同時に少女が出会うのは同年代の幽霊の友達だったりします。
魅力的な幽霊のキャラクターの他にも、ほんの小さな場面にもそのテーマが感じられるのが本当に良かったです。

例えば、トカゲに石を投げつける子供。
その石を幽霊が霊力で止めて子供を諭すシーンがあります。
結構、子供の頃ってそういう小さな虫や生き物に対して傷つけるような遊びをしてしまうところがあって、でもそういうのもしっかり諭して映画を通して教えてくれるのも、「あ、上手いな」と思いました。
それはやはり亡くなって幽霊になったり、交通事故で両親が亡くなった女の子が小さな生命も大事にするから気持ちが伝わると思うんですよね。上手い。しっかりと子供達にテーマをブレずに伝えてくれます。

少女は心配してくれる人たちに申し訳ないから、と健気に温泉宿の若女将として奮闘するのですが、大好きな両親を亡くしてそんな"我慢"が平然とできるわけがないんですよ。
終盤、彼女の本当の涙と死と向き合った決断を見て大人たちが泣かないはずじゃないですか。あの時の決断は、亡くなった母方祖母の女将すらも為し得なかった。小学生の彼女がそれを乗り越えたのです。
素晴らしかった。最高でした。