ゼロ

若おかみは小学生!のゼロのレビュー・感想・評価

若おかみは小学生!(2018年製作の映画)
3.4
春の屋には、たくさんの出会いが待っていた!

映画のポスターが児童向けなのもあり、期待はしていませんでしたが、評判が良いのもあり、鑑賞しました。

令丈ヒロ子による児童文学シリーズ。作品を観ていて、ジブリっぽいな…と思うところがありましたが、監督を務める高坂希太郎さんがジブリの作画監督と聞いて、納得しました。脚本は吉田玲子さんで、今作でも繊細な心情を描いていました。

物語としては、主人公である関織子、通称おっこ。この子は、若くして両親を交通事故で亡くし、その体験から幽霊が見えるようになったという過酷な運命を背負っています。作中では異様に前向きであり、不自然な感じすらもあります。魔物や幽霊が見えるおっこが、春の屋旅館に引っ越してきて、女将になり、成長していく様子を描いています。

原作は未読ですが、おそらくエピソードを掻い摘み、幽霊たちとの出会いから別れを描いているのもあり、テンポが良いです。サクサクと展開しつつも、おっこの両親の喪失と事故を感じさせるエピソードを描き、丁寧な作品だなと感じました。

最後まで観ると、涙が止まらない人も出てくるでしょう。そんな良い作品でした。
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