スタンダード

軽い男じゃないのよのスタンダードのレビュー・感想・評価

軽い男じゃないのよ(2018年製作の映画)
5.0
【驚いた、よく出来ている】


あらすじを簡単に言うと、
男が柱に頭をゴッチンして
不思議な世界に迷い込みます。


その世界は、
男女の立場が逆転した世界
というよりは、
オネエとオニイだけの世界
と言ったほうが正しいかも。


コテコテのコメディ映画かと思いきや
フランス映画独特の雰囲気に浸れる、
確かな余韻を残す映画でした。


【バトル・オブ・ザ・セクシーズ】


男女間の違いを描いた映画と言えば、
『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
があります。
※以前、機内で鑑賞しました。


日本で例えるならば、
大坂なおみ(20歳)と松岡修造(50歳)が
テニスでガチンコ対決をする感じです。


バトセクの予告編を見る限りだと、
性差別主義の傲慢な男性から
女性が権利を勝ち得る映画という
イメージに映ります。


もちろん、
そこにのみスポットを当てた映画ならば
その宣伝の仕方も頷けますが、
バトセクはそこだけにアプローチした
映画ではありません。


【フェアプレー】


『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』のテーマは、
『フェミニズム』
『ホモセクシャリティ』
『ギャンブル依存』
『セカンド・キャリア』
『ラブ・アゲイン』等々、
非常に混沌としています。


つまり、
【女】エマ・ストーン(大坂なおみ)
【男】スティーヴ・カレル(松岡修造)
双方にフェアな人物描写
がなされている映画です。


【軽い映画じゃないのよ】


別の映画レビューになってしまったので、
話を『軽い男じゃないのよ』に戻します。


本作は、
『女性の立場を理解して男性が改心する』
というテーマだけではなく、
『女性が男性の立場から見た女性社会』
というテーマもあるかと思います。


文章にすると意味不明ですが、
鑑賞すると何となく理解していただける
かもしれません。


男性が教訓のために
鑑賞するのも有りですが、
女性が鑑賞しても
ある意味面白い体験ができるかも。


それぐらい、
奇妙なフェア精神溢れる映画でした。